委員長挨拶

心理科学研究会(略称「心科研」)は,2019年に設立50周年を迎えた学術研究団体です(日本学術会議より「協力学術研究団体」の指定を受けております)。このホームページ上に掲載されている「会則」及び「心理科学研究会設立趣意書」(1969年4月)をご覧いただくことで,研究会の理念や目的が伝わるかと思いますが,ここで全体像と概要を紹介させていただきます

本研究会の活動の特色としては,春と秋の年2回(各3日間)開催される全国研究集会とともに,10の部会及び全国11の地区を単位とした取組が挙げられます。まず,全国研究集会では,主に各部会が企画する分科会,運営委員会が企画するシンポジウム,そして懇親会等の場を通して,会員間の研究交流を深めるとともに,開催地域に根ざした実践者を講師として招いたレクチャーやフォーラムなど,地区の会員が中心となる実行委員会の企画も楽しみの一つです。加えて,各部会ならではのテーマによる研究会や読書会,地区例会や地区独自の研究会や合宿も,それぞれ特色を持ちながら,所属地区や部会を超えた会員間のつながりが広がっています。

このような本研究会の活動成果の一端は,会員の執筆による『心理科学』(査読付きジャーナル)において,原著論文のみならず,時宜を得たテーマ設定による特集論文などが掲載され,J-STAGEにおいて全文が公開されていますので,ご関心のある方ならどなたでもお読みいただくことができます。また,各部会が中心となって企画・執筆される出版物は,大学の授業等のテキストとして活用されるとともに,教育・保育をはじめとする実践者にも広く読まれ,版を重ねている書籍も少なくありません。

科学性と実践性の両方を重視する本研究会の活動は,大学等の高等教育機関に所属する研究者の会員,教育・医療・福祉等の領域の実践者の会員,そして次世代の研究と実践を担う学部学生・大学院生の参加によって成り立っています。実践者と研究者がその垣根を越えて対話しながら活動を展開する本研究会へのご入会を心よりお待ちしております。

心理科学研究会運営委員長 郷式 徹